周囲からチヤホヤされて勘違いしている無能でマザコンな映画監督が、しかめっ面しながら綺麗な女性たちを行ったり来たりしているだけのストーリー。
「シカゴ」で過大評価されたロブ・マーシャル監督の化けの皮が剥がれた、ミュージカルもどきのプロモーション・ビデオ。
旬なスター女優を(若いのから歳食ったのまで)ズラーリ並べて、見た目カッコいいミュージック・シーンを適当に作り、玄人受けのいいダニエル・デイ=ルイスで糊付けしただけの、本当にそれだけの薄っぺらい映画。
ケイト・ハドソンのダンス場面に、意味なくモノクロのカットを差し込んで、「どうよ、カッコいいでしょ!」と、ひとり悦に入ってるロブ・マーシャルの素顔が透けて見える。
ダニエル・デイ=ルイスの苦悩の表情は、(あまりにも脚本が酷いので)どんな芝居をしたらよいのか分からず悩んでいるようにも見える。
女優陣は超豪華! マリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ケイト・ハドソン、ニコール・キッドマン、ファーギー、ジュディ・デンチ。なんと懐かしのソフィア・ローレンまで。
これらスター女優のカタログ・ビデオとしてなら観る価値はある!
と、言い切ったあとで矛盾になるけど……
この映画、歌とダンスの場面を全部カットして、40分の短縮版にしたら、少しは筋が通った「映画」として見られるかも。
点