オーバーチュアとインターミッション付きで2時間20分。元ネタの「カビリアの夜」はフェリーニ映画のなかでは「道」と並んで好きな作品だし、シャーリー・マクレーンは大好きな女優ではあるけど、映画の出来はどうにも野暮ったい。
ストーリーは先刻承知なうえに、ヒロインを取り巻く男優陣に華がないので恋愛話にときめきがない。シャーリー嬢(当時34歳)はまだ可愛い。10年前に作られていたらもっと可愛かったろう。
ボブ・フォッシーの独特な振り付けがいちばんの魅力で、ダンス・シーンは一見の価値あり。ニューヨークの名所をロケしたダンス場面も趣向があっておもしろい。サミー・デイビスも元気だ。
DVDはシネスコをトリミングしたビスタサイズ。歌の場面で音声がモノラルからステレオに切り替わるので吹き替えみたいな違和感がある。
DVD特典にハッピーエンド・バージョンのエンディングが付いていたが、野暮の極み。公開版のほうが断然いい。
点