soe006 ナット・キング・コールをまとめて聴く(1)

ナット・キング・コールをまとめて聴く(1)

February 25 2011

ボーカル・ア・ラ・カルト

「ナットの歌がヒットしたのは、俺が言葉をはっきり発音しろとアドバイスしたからだ」と、キャブ・キャロウェイが映画『ミニー・ザ・ムーチャー』(1981年)で言ってましたが、これはちょいと眉唾。
ピアノ・トリオで歌い始めたころから、ナット・キング・コールには黒人特有の臭みがなかった。
しかし、黒人なのにブルース・ゴスペル臭がまったくないナット・コールの歌は、黒人のレコードは黒人にしか売れないという、それまでの流れを大きく変え、人種を越えた人気を獲得。
一方で白人に媚びているとの批判の声もあり。今日はそんな時代のアルバムを3枚紹介。

UNFORGETTABLE SONGS BY NAT KING COLE

UNFORGETTABLE SONGS BY NAT KING COLE
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ナット・キング・コール(vo)
ネルソン・リドル楽団 、他

01 Unforgettable
02 A Portrait of Jennie
03 What'll I Do
04 Lost April
05 Answer Me, My Love
06 Hajji Baba (Persian Lament)
07 Too Young
08 Mona Lisa
09 (I Love You) For Sentimental Reasons
10 Red Sails In the Sunset
11 Pretend
12 Make Her Mine
13 You Weren't There
14 The Magic Tree
15 Paint Yourself a Rainbow
16 My First and My Last Love

Recording Date: Aug 22, 1946 - Jul 27, 1954
Release Date: 1954
Capitol/Collector's Choice

NAT KING COLE SINGS BALLADS OF THE DAY

NAT KING COLE SINGS BALLADS OF THE DAY
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ナット・キング・コール(vo)
ネルソン・リドル楽団 、他

01 A Blossom Fell
02 Unbelievable
03 Blue Gardenia
04 Angel Eyes
05 It Happens To Be Me
06 Smile
07 Darling, Je Vous Aime Beaucoup
08 Alone Too Long
09 My One Sin (In Life)
10 Return To Paradise
11 If Love Is Good To Me
12 The Sand And the Sea

Recording Date: Jan 1953 - Dec 1954
Release Date: 1956
Capitol/Collector's Choice

NAT KING COLE TOP POPS

NAT KING COLE TOP POPS
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ナット・キング・コール(vo)
ネルソン・リドル楽団
ビリー・メイ楽団、他

01 Somewhere Along The Way
02 Walkin' My Baby Back Home
03 Faith Can Move Mountains
04 Funny
05 Hold My Hand
06 Teach Me Tonight
07 I'm Never Satisfied
08 Because You're Mine
09 The Ruby And the Pearl
10 A Weaver Of Dreams
11 Papa Loves Mambo
12 If I Give My Heart To You
13 You Will Never Grow Old
14 How (How Do I Go About It?)
15 When I'm Alone
16 A Fool Was I

Recording Date: Sep 4, 1951 - Aug 12, 1952
Release Date: 1954
Capitol/Collector's Choice

ギターとベースのピアノ・トリオを解散し、ソロ歌手として独立した直後(1951-54年)の録音。
このころはまだ 78回転のSP原盤。これが10インチLPにまとめられて、ついで数曲追加で 12インチLPとしてリイシューされ、更に CD化されてまたまた数曲追加。
発売の度に収録曲と曲順が変わっております。

『アンフォゲッタブル』(1954年)は、表題曲「アンフォゲッタブル」ほか、「トゥー・ヤング」、「モナリザ」、「プリテンド」など16曲。
『シングス・バラッド・オブ・ザ・デイ』(1956年)は「エンジェル・アイズ」、「スマイル」などのバラードを 12曲。
『トップ・ポップス』(1954年)は、「ファニー」、「今夜、教えて」、「パパはマンボがお好き」などポピュラー・ナンバーを 16曲収録。

現在発売中の『シングス・バラッド・オブ・ザ・デイ』は、1955年リリースの『Sings For Two In Love』とカップリングされた 2in1アルバムでちょっこしお買い得。

『アンフォゲッタブル』のアルバム・ジャケットはオリジナル発売時のものだろうけど、デザインはどーにかならんかったのか。
いくらオリジナル好きな日本人でも、これは引くだろ?

このジャケットから、甘くて切ないナット・コールの声は想像できん。

年頃の女の子が、ラジオで聴いた「プリテンド」欲しさに CDショップに行っても、これでは手が出せない。
収録曲はこの3枚のなかで最も良いだけに、もったいない。

『トップ・ポップス』は、12インチLPでリイシューされたときのデザインで、これなら現代人にも大丈夫だろうけど、ジャズ・ファンには無関係なポップス曲ばかり並んでる。まあ、これが「白人に媚を売ってる」と非難された理由のひとつでもあり、ナット・コールらしい選曲と言えなくもない。
もうすこしあとになると、「キサス・キサス・キサス」とか、「LOVE」とか、完全にジャズを捨ててしまってるわけだし。
それらと比べたら、今回の3枚は、まだ幾分ジャズっぽさが残ってると思うよ。

ボーカル・ア・ラ・カルト
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