ハリウッド:ザ・プッピーニ・シスターズ
November 16 2011
ボーカル・ア・ラ・カルト
待望のプッピーニ・シスターズ!
今年の新作はなんとハリウッド映画の主題歌・挿入歌集!
THE PUPPINI SISTERS HOLLYWOOD
マルセラ・プッピーニ
ケイト・マリンズ
スティファニー・オブライエン
Blake Wilner(Guitar、Mandolin)、Henrik Jensen(Bass)、Graham Fox(Drams、Percussion)、Jon Shenoy(Clarinet、AltoSax)、George Philips(TenorSax)、Ben Cummings(Trumpet)、Jon Stokes(Trombone)、Anthony Sabberton(Violin)、Wei Wei Fraser(Viola)、Natalie Rosario(Cello)、Tom Hodges(Musical Saw)
Release Date: November 15, 2011
Verve/Universal International
http://amazon.co.jp/dp/B005M8EU9C/
01 Hollywood (3:04)
02 Diamonds Are a Girl's Best Friend (3:03)
03 I Got Rhythm (4:00)
04 Moi Je Joue (3:22)
05 True Love (3:22)
06 Good Morning (2:22)
07 Get Happy (3:40)
08 Moon River (3:55)
09 I Feel Pretty (3:30)
10 September Song (3:03)
11 Parle Plus Bas (Love Theme from The Godfather) (4:22)
当サイトでは所有ディスクのデータを元に紹介しているため、現在販売されているディスクと収録曲等が異なる場合があります。ご了承下さい。
待ちに待ったプッピーニ・シスターズ!
しかも今年の新作は「Hollywood」。
そのタイトルどおり、往年のハリウッド映画の主題歌・挿入歌を集めたゴージャスなアルバム。
実にプッピーニらしい、チャーミングな仕上がりに満足まんぞく。
自宅に届いてから続けて2回聴き、今またこれを書きながら3回目。
先週購入したマイケル・ブーブレのクリスマス・アルバムでもプッピーニは2曲客演してましたが、そのときに確信しましたですよ。
プッピーニ・シスターズは、もう現代版アンドリュース・シスターズという枠を超えて、「ザ・プッピーニ・シスターズ」という個性を定着させちゃってますね。
音大出身の才女3人組。アレンジもぜんぶ自分たちでやってるので、100パーセント彼女たちの独自サウンドになってます。
1曲目「ハリウッド」はプッピーニのオリジナル。
ジャングル風ドラムとクラリネットのグリッサンドで始まって、ファンにはおなじみのプッピーニ・コーラスが始まります。
今回もオープニングからノリノリ。絶好調です。
2曲目「ダイヤがいちばん」。映画『紳士は金髪がお好き』でマリリン・モンローが歌ったジュール・スタイン、レオ・ロビンのナンバー。
アレンジはもちろん金髪のケイト・マリンズが担当。
マルセラ・プッピーニはアコーディオンも弾いてます。
3曲目はガーシュウィンの「アイ・ガット・リズム」。
映画『巴里のアメリカ人』で、ジーン・ケリーが子どもたちを相手に歌ってました。
アレンジは赤毛のステファニー・ オブライエンが担当。
バース(本歌が始まる前のメロディ)のアレンジがまったく違う雰囲気で面白い。短いドラム・ソロ、ベース・ソロ、トランペット・ソロやハンド・クラップ(手拍子)が入って、3人娘のコーラスと掛け合い。フォービート・ジャズのノリが楽しい。
4曲目がちょっと変わっていて、ブリジット・バルドーの「Moi Je Joue」。
最近フランスの香水メーカー(ディオール)のCMに使用されてリバイバル・ヒットしてるみたいですね。
アレンジはブルネットのマルセラ・プッピーニ。
明るく可愛い、ライトなフレンチ・ポップス。
語学堪能なプッピーニですから、間奏部のセリフを含め、歌詞はもちろんフランス語。
5曲目、フランク・シナトラ、ビング・クロスビー、グレース・ケリー主演の『上流社会』よりコール・ポーターの「トゥルー・ラブ」。
ゆったりしたワルツのアレンジはマルセラ・プッピーニ。
セカンド・アルバムのラスト曲、ルイ・アームストロングが歌った 007の挿入歌「愛はすべてを越えて」が、同じ傾向のアレンジでした。
このあたりのセンスが、プッピーニの個性と言えそうです。
6曲目はアーサー・フリードのミュージカル・ナンバー「グッド・モーニング」。
初出は1939年製作の『青春一座』(ジュディ・ガーランド、ミッキー・ルーニー主演:日本未公開)ですが、日本ではジーン・ケリー、ドナルド・オコナー、デビー・ レイノルズが陽気に歌って踊る『雨に唄えば』で知られている曲。
アレンジはケイト・マリンズ。
続いて7曲目もジュディ・ガーランドでMGM映画『サマー・ストック』から「ゲット・ハッピー」。
ジュディ・ガーランドのMGMミュージカル出演最後の作品ですが、映画は日本未公開。現在はジュネス企画から日本語字幕付きのDVDが発売されています。「ゲット・ハッピー」の場面だけなら『ザッツ・エンタテインメント』でも観られます。
ヴァイオリン・ソロとアレンジはスティファニー・オブライエン。
8曲目「ムーン・リバー」は『ティファニーで朝食を』挿入歌。
映画では主演のオードリー・ヘプバーンが歌ってました。
このヘンリー・マンシーニの名曲を、ミュージカル・ソー(のこぎり)を使った奇妙なサウンドで提供。これはちょっとやり過ぎかな。好き嫌いが分かれるアレンジはケイト・マリンズが担当。
9曲目は『ウエスト・サイド物語』から「アイ・フィール・プリティ」。
ジャズ系ボーカルではジェリー・マリガンと共演したアニー・ロスの快唱が評判いいです。
プッピーニはこれをサーカスのジンタ風ワルツで。アレンジのマルセラ・プッピーニは、アコーディオン、ピアノ、グロッケンシュピール(鉄琴)も演奏。
10曲目はクルト・ワイルの「セプテンバー・ソング」。
ジョーン・フォンティン、ジョセフ・コットン主演の『旅愁』で有名になった曲ですが、初出はブロードウェイ・ミュージカル『ニッカボッカー・ホリデー』(1938年)。
アレンジはケイト・マリンズ。この曲でもスティファニー・オブライエンがヴァイオリンを弾いています。
ラストはニーノ・ロータの『ゴッドファーザー』より「愛のテーマ」を、イタリア語ではなく何故かフランス語で。
アレンジとヴァイオリン・ソロはスティファニー・オブライエン。
ジャケット写真の、ハリウッド女優みたいにゴージャスかつデラックスなドレスは、ジェニー・ブライアントのデザイン。
プッピーニのアルバムは、毎回趣向を凝らした衣装で楽しいですね。
ブックレットには、カラフルなドレスで HOLLYWOODの文字に腰掛けた写真も入ってます。
では、これから4回目を聴きます。
1日に何度も聴き返すCDなんて、いまはプッピーニくらいだな。