バレエ音楽「ロメオとジュリエット」 作品64
シェイクスピア戯曲のヒューマニズムに感銘を受けたプロコフィエフは、52曲から構成された4幕8場のバレエ音楽を、1935年から36年にかけて作曲。しかし予定されていたレニングラード・バレエ学校創立200年祭での公演が中止となったため、その中から7曲を選び、演奏会用組曲として1936年に発表。プロコフィエフは、翌1937年に7曲抜粋の第2組曲を、1944年には6曲からなる第3組曲を編んでいる。
2時間を超える作品であることから、バレエ全曲版のディスクは少なく、組曲単位での演奏や、ストーリー順に並べ替えた独自の抜粋版を収録したものが多い。
作曲年代:1936年から1937年にかけて4幕52場面のバレエ全曲版。
1936年に第1組曲、1937年に第2組曲、1944年に第3組曲。
初演:バレエ全曲版
1938年12月30日 チェコスロヴァキアの国立ブルノ劇場
初演:第1組曲
1936年11月24日 モスクワのボリショイ劇場 セバスチャンの指揮
初演:第2組曲
1937年4月15日、レニングラード 作曲者の指揮
初演:第3組曲
1946年3月8日、モスクワ デクチャレンコの指揮
楽器編成:ピッコロ、フルート2、オーボエ2、コーラングレ、クラリネット2、バス・クラリネット、テーナー・サクソフォーン、ファゴット2、コントラファゴット、ホルン6、トランペット2、コルネット、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、グロッケンシュピール、シロフォン、タンバリン、トライアングル、マラカス、シンバル、大太鼓、小太鼓、ピアノ、チェレスタ、ハープ、弦5部
楽曲構成(バレエ全曲版):
第1幕
第1曲 前奏曲
第1場
第2曲 ロメオ
第3曲 街の目覚め
第4曲 朝の踊り
第5曲 喧嘩
第6曲 決闘
第7曲 大公の宣言
第8曲 間奏曲
第2場
第9曲 舞踏会の準備
第10曲 少女ジュリエット
第11曲 客人たちの登場(メヌエット)
第12曲 仮面
第13曲 騎士たちの踊り
第14曲 ジュリエットのヴァリアシオン
第15曲 マーキュシオ
第16曲 マドリガル
第17曲 ティボルトはロメオを見つける
第18曲 ガヴォット(客人たちの退場)
第19曲 バルコニーの情景
第20曲 ロメオのヴァリアシオン
第21曲 愛の踊り
第2幕
第3場
第22曲 フォーク・ダンス
第23曲 ロメオとマーキュシオ
第24曲 五組の踊り
第25曲 マンドリンを手にした踊り
第26曲 乳母
第27曲 乳母はロメオにジュリエットの手紙を渡す
第4場
第28曲 ローレンス僧庵でのロメオ
第29曲 ローレンス僧庵でのジュリエット
第5場
第30曲 民衆のお祭り騒ぎ
第31曲 一段と民衆の気分は盛り上がる
第32曲 ティボルトとマーキュシオの出会い
第33曲 ティボルトとマーキュシオの決闘
第34曲 マーキュシオの死
第35曲 ロメオはマーキュシオの死の報復を誓う
第36曲 第2幕の終曲
第3幕
第37曲 前奏曲
第6場
第38曲 ロメオとジュリエット
第39曲 ロメオとジュリエットの別れ
第40曲 乳母
第41曲 ジュリエットはパリスとの結婚を拒絶する
第42曲 ジュリエットひとり
第43曲 間奏曲
第7場
第44曲 ローレンス僧庵
第45曲 間奏曲
第8場
第46曲 ジュリエットの寝室
第47曲 ジュリエットひとり
第48曲 朝の歌
第49曲 百合の花を手にした娘たちの踊り
第50曲 ジュリエットのベッドのそば
第4幕
第9場
第51曲 ジュリエットの葬式
第52曲 ジュリエットの死
演奏時間(バレエ全曲):約140分
楽曲構成(第1組曲 作品64a):
第1曲 フォーク・ダンス
第2曲 情景
第3曲 マドリガル
第4曲 メヌエット
第5曲 仮面
第6曲 ロメオとジュリエット
第7曲 ティボルトの死
楽曲構成(第2組曲 作品64b):
第1曲 モンターギュー家とキャピュレット家
第2曲 少女ジュリエット
第3曲 僧ローレンス
第4曲 踊り
第5曲 別れの前のロメオとジュリエット
第6曲 アンティル諸島から来た娘たちの踊り
第7曲 ジュリエットの墓の前のロメオ
楽曲構成(第3組曲 作品101):
第1曲 噴水の前のロメオ
第2曲 朝の踊り
第3曲 ジュリエット
第4曲 乳母
第5曲 朝の歌
第6曲 ジュリエットの死
プロコフィエフ:ロメオとジュリエット(全曲版)
ロリン・マゼール指揮 クリーヴランド管弦楽団 1973年 ステレオ録音 (Decca) 2枚組 |
1974年度レコード・アカデミー賞に輝いたロリン・マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団のバレエ全曲版。約2時間半の長丁場をダレさせない巧みな構成。色彩感たっぷりな華麗な演奏。全曲版の筆頭に挙げられる優等生盤。
プロコフィエフ:バレエ「ロメオとジュリエット」
ゲオルグ・ショルティ指揮
1. バレエ「ロメオとジュリエット」(ハイライト) 1982年 デジタル録音 (Decca) |
抜粋17曲をストーリー順に並べた、ショルティ&シカゴ響のハイライト版。シャープで鋭いシカゴ響の現代的サウンド。すっきりと見通しの良いスマートな演奏。ショルティ初のプロコフィエフ録音と話題になった1枚。
プロコフィエフ:交響組曲「ロメオとジュリエット」
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ指揮
1. 交響組曲「ロメオとジュリエット」作品64a
1982年 デジタル録音(1)(2)、1978年 ステレオ録音(3) |
プロコフィエフとも交流のあったムスティスラフ・ロストロポーヴィチが指揮する、第1組曲&第2組曲。悲劇性を強調した重量級ドラマティック・ヴァージョン。スケールの大きい分厚いサウンドで、大迫力の臨場感が愉しめます。