1930年代の犯罪映画(8本)
2022/03/01
犯罪王リコ
LITTLE CAESAR
1930年(日本公開:1931年10月)
マーヴィン・ルロイ エドワード・G・ロビンソン ダグラス・フェアバンクス・Jr グレンダ・ファレル スタンリー・フィールズ シドニー・ブラックマー ラルフ・インス ジョージ・E・ストーン
田舎町のガソリンスタンドで強盗を働いたリコ(エドワード・G・ロビンソン)とジョー(ダグラス・フェアバンクス・Jr)は、ケチな仕事に見切りをつけ一旗あげるべく東部の大都会へと向かう。
暗黒街に身を投じたリコは、持ち前の無鉄砲でグイグイのし上がり、大胆不敵にボス(スタンリー・フィールズ)を蹴落とし、ライバルを追放して豪邸を手に入れる。
臆病風に吹かれた仲間を冷酷に始末する非情さもあるが、新聞記者をパーティに呼んで写真を撮らせて、記事が載った新聞を大量に買い込んだり、見掛け倒しの貫禄を身に着けていくあたり、悪役ながら子供っぽくて憎めない。
一方クラブのダンサーに採用されたジョーはパートナーのオルガ(グレンダ・ファレル)と婚約。カタギの生活を望むジョーはリコとの付き合いを断ちたいのだが、知りすぎている旧友が組織から離れることをリコは許さない。
オルガは警察本部長殺しの犯人がリコであることを警察に通報。ギリギリの選択で友人を殺せなかったリコは、逃亡の果てに簡易宿で飲んだくれになるまで落ちぶれた挙げ句、フラハティ警部補(トーマス・ジャクソン)の挑発にまんまと引っかかり、居所を突き止められ機関銃で命を落とす。
成り上がりギャングの栄枯盛衰を描いたW・R・バーネット原作「リトル・シーザー」の映画化。強烈凶悪な個性を100パーセント発揮したエドワード・G・ロビンソンの出世作。「ゴッドファーザー」も「スカーフェイス」もここから始まった。ギャング映画の古典的教科書。
警察本部長射殺時のオーバーラップはヘイズ・オフィスを考慮してのことかも知れないが、あまり良い編集とは思えなかった。
教会に向かう仲間を射殺する(まるで「ゴッドファーザー」みたいな)場面はリアルに撮っているし。ギャング同士の殺し合いはオッケーでも警官殺しはダメってことなのか?
65点
#1930年代の犯罪映画
2022/03/02
市街
CITY STREETS
1931年(日本公開:1931年09月)
ルーベン・マムーリアン ゲイリー・クーパー シルヴィア・シドニー ポール・ルーカス ウィン・ギブソン ガイ・キビー スタンリー・フィールズ ウィリアム・“ステージ”・ボイド ポーレット・ゴダード ゴードン・エリオット
禁酒法時代、密造ビール業で荒稼ぎしているギャングたちを描いた映画だが、縄張り争いや警察との抗争はなく、色惚けしたボスの横恋慕が原因で仲間同士がドンパチやってる。
クライマックスで自動車を暴走させるくらいで、見せ場となるアクション・シーンがない。
ダシール・ハメットが原案を提供したとは思えない、ずいぶんヤワな物語展開。
ゲイリー・クーパー主演のパラマウント映画だから恋愛ムードが強く、ワーナーのギャングものみたいに思いっきり男性向けに振れていないのが不満。
技巧的なライトとカメラの演出が突出している。
服役中のシルヴィア・シドニーに面会に来たゲイリー・クーパーの金網越しのキスシーンなどなど、印象に残る凝ったシーンが多い。ヒッチコック映画同様、撮影テクニックのお手本になる。
最後は若い二人が暗黒街から足を洗ってハッピーエンド。
このラストシーンでいきなりワーグナーが流れ、大空に鳩が飛ぶのには意表を突かれた。
60点
#1930年代の犯罪映画
2022/03/03
民衆の敵
THE PUBLIC ENEMY
1931年(日本公開:1931年11月)
ウィリアム・A・ウェルマン ジェームズ・キャグニー エドワーズ・ウッズ ジーン・ハーロウ ジョーン・ブロンデル ベリル・マーサー ドナルド・クック ロバート・エメット・オコナー レスリー・フェントン ルイーズ・ブルックス
万引した盗品を闇屋に売る少年時代、子供を悪事に誘う卑劣な小悪党、稚拙な強盗失敗で死んでしまう若い仲間、卑怯なボスの裏切り、禁酒法が施行され密造ビール業で荒稼ぎ、情婦との痴話喧嘩、競合業者との縄張り争い、裏切り者への復讐、敵対組織の報復、無残な最期。ギャング映画のいろいろが全部入っている。
冷酷非情かつ凶暴なギャングを演じてスターダムにのし上がったジェームズ・キャグニーの出世作。小柄だが悪戯小僧のような仕草や表情が魅力。スコセッシ映画のディカプリオは絶対意識してるはず。
相棒のマット(エドワード・ウッズ)とコンビを組んでグイグイ出世していく過程が、キャグニーのキビキビした機敏な動きと相まって小気味よく心地よい。
待ち伏せしていたギャングの機関銃でマットが殺されたあと、土砂降りの夜、二丁拳銃で殴り込みをかける。不敵な笑いに凄みがあり格好いい。
最初と最後に言い訳めいたタイトル(この映画は犯罪者を美化したり、犯罪を肯定または助長する目的で製作したものではありません)が出る。
禁酒法(1920-1933年)が施行中だったからの配慮、またはモデルとなったギャングが存命中(活躍していた時代)だったからだろう。
女性(メエ・クラーク)への暴力描写もある。
ちなみにおれは娼婦みたいなジーン・ハーロウより「ウォタルウ橋」のメエ・クラークのほうが絶対美人だと思うし好きだ。
キャグニーが家に帰宅するラストが強烈! このショック演出はホラーだ。
兄のマイク(ドナルド・クック)は真面目な性格で、裏稼業に身を置く弟を嫌っていた。世界大戦が始まると軍隊に志願したマイクだったが、ラストシーンで見せる表情には何か強い決意が伺える。原作(キュベック・グラスモン&ジョン・ブライト)では、弟の死体を見たマイクが手榴弾を手に決死の覚悟で敵の巣窟へと向うというラストらしい。
「ゴッドファーザー」の三男マイケルのモデルだ。
65点
#1930年代の犯罪映画
2022/03/11
仮面の米国
I AM A FUGITIVE FROM A CHAIN GANG
1932年(日本公開:1933年06月)
マーヴィン・ルロイ ポール・ムニ グレンダ・ファレル ヘレン・ヴィンソン プレストン・フォスター シーラ・テリー アレン・ジェンキンス デヴィッド・ランドー バートン・チャーチル
「犯罪王リコ」のマーヴィン・ルロイ監督、「暗黒街の顔役」のポール・ムニ主演のワーナーブラザース配給だからギャング映画だと思いこんでたが、「暴力脱獄」や「パピヨン」のような刑務所脱獄ものだった。
世界大戦からの復員。お仕着せの管理生活を嫌い、建設現場で仕事がしたいと家族の反対を押し切って家出したものの、ときは大恐慌の真っ只中。希望する仕事にありつけないままボストン、ニューオリンズ、ウィネベーゴ、セントルイス、アトランタと放浪の旅が続き、挙句の果てに強盗の片棒を担がされて逮捕。理不尽な判決により10年の懲役をくらう。脱獄囚ロバート・E・バーンズの手記をベースにした実録映画。
朝4時20分に起床し、不味い朝食を摂ったら14時間におよぶ過酷な肉体労働。額の汗を拭うにも看守の許可が必要。非人道的な扱いに堪えかねて脱獄。大都会シカゴで偽名を使って建設会社に就職、トントン拍子に出世するが女性関係のもつれから放蕩の妻に正体を密告され、再び悪夢の強制労働。弁護士に大金を払い、州検察官と交わした恩赦の約束も反故にされ、仲間とともに二度目の脱獄。
アメリカ地図、カレンダー、給与明細のオーバーラップで時間経過と状況の変化を説明する、無駄のない脚本構成。刑務所の実態を克明に描き、二度の脱獄サスペンスも上出来。
ラスト、夜の闇に姿を消すポール・ムニ。フェードアウトする絶望の表情。
マーロン・ブランドはポール・ムニの演技に心酔し参考にしていたそうだが、同じくアクターズ・スタジオ出身のポール・ニューマンやスティーヴ・マックイーンも「暴力脱獄」や「パピヨン」に出演するにあたって、本作を強く意識していたに違いない。
刑務所脱獄映画の名作。
70点
#1930年代の犯罪映画
2022/03/04
暗黒街の顔役
SCARFACE
1932年(日本公開:1933年03月)
ハワード・ホークス ポール・ムニ アン・ドヴォラック ジョージ・ラフト ボリス・カーロフ カレン・モーリイ ヴィンス・バーネット オズグッド・パーキンス C・ヘンリー・ゴードン
殺人者は口笛を吹きながらやって来る。
まるでスポーツしてるかのように機敏に颯爽と抜け目なく殺しまくり、強引に縄張りを広げ、ボスの情婦を寝取り、妹を病的に溺愛し、相棒まで殺してしまう。ひたすらバイオレンスに徹したギャング映画。
ポール・ムニと言えばギャング映画、ギャング映画と言えば「暗黒街の顔役」。
ポール・ムニの代表作でありギャング映画の代名詞、それが「暗黒街の顔役」。
「世界は君のものだ」
最初に「民衆の敵」と同じようなタイトルが出る。似ているがちょっと違う。
映画で描かれるような悪党を輩出したのはアメリカ社会に責任があると、あからさまに、その原因の矛先を政治(禁酒法)に向けている。
ハワード・ヒューズ(製作)、ベン・ヘクト(脚本)、ハワード・ホークス(監督)のただならぬ気概が感じられる。
ハリウッドは 1930年から一斉に暗黒街映画の製作を始める。「犯罪王リコ」「市街」「民衆の敵」など。密造酒の製造販売によって肥大する犯罪組織、抗争事件が新聞を賑わし毎日のニュースになっていたことも背景にあるが、1920年から続いている悪法に一般大衆のストレスが鬱積していたことは容易に想像できる。
主人公はラストで哀れな死にざまを見せるものの、禁酒法が彼らを誕生させ増長させた原因だったという指摘は、どのギャング映画でも共通していた。
禁酒法(アメリカ合衆国憲法修正第18条)は映画が公開された翌年(1933年12月5日)に廃止された。
本作はブライアン・デ・パルマによって1983年にリメイクされる。
「スカーフェイス」のギャングたちが扱っているのは密造酒に代わって麻薬。
オリヴァー・ストーンは麻薬合法化を訴えたくて脚本を書いたのだろうか。
麻薬密輸の現行犯逮捕でトルコの刑務所に収監される「ミッドナイト・エクスプレス」もオリヴァー・ストーンだったし、何度も麻薬で逮捕されているストーンだから、「スカーフェイス」のシナリオにそんな願いが込められていてもおかしくない(憶測)。
「雨に唄えば」や「お熱いのがお好き」でパロられていたコイン遊び。
ジョージ・ラフトはスコセッシ映画でお馴染みのマンハッタン、ヘルズ・キッチンの出身。実際にマフィアとも友好関係があり、「犯罪王リコ」でダグラス・フェアバンクス・Jrが演じたジョー(ギャングから足を洗いナイトクラブのダンサーになる)のモデルとなった俳優。
70点
#1930年代の犯罪映画
2022/03/20
歩道の三人女
THREE ON A MATCH
1932年(日本公開:1934年06月)
マーヴィン・ルロイ ジョーン・ブロンデル ベティ・デイヴィス アン・ドヴォラック ウォーレン・ウィリアム ライル・タルボット ハンフリー・ボガート グレンダ・ファレル エドワード・アーノルド アレン・ジェンキンス
ニューヨーク市の公立中学校に通う3人の娘が卒業後、それぞれの人生を歩んで大人の女に成長する。この過程を(禁酒法が施行された1919年から大恐慌真っ只中の1934年までを)当時の記録映像や新聞のモンタージュをインサートしつつサクサクすすむ。
遅れて生まれてきた映画ファンには、当時の時代背景・アメリカ風俗がコンパクトにまとめられていて、ちょっとした勉強になる。この導入部は嬉しかった。
なにしろ上映時間は1時間3分、無駄なことは一切やらない。脚本はルシアン・ハバード(原案はキューベック・グラスマン&ジョン・ブライト)。
再会した3人は食後のテーブルで煙草に火を付ける。同じマッチで三人が煙草に火を付けると、そのうちの誰か一人が死ぬ。第一次世界大戦中の軍隊で流行ったジンクス(映画の中で説明が入る)。いまの言い回しだと「フラグが立った」ということか。
三人のなかで最も成功し有名になったのはベティ・デイヴィスだが、出番も少なく役柄も地味で目立たない。ただの脇役。
少女時代からの流れで、クラブのショーガールになったジョーン・ブロンデルが主人公のように思えた序盤の展開だったが、彼女は狂言回し。
ちなみにこのシーン、イマジナリーラインを無視して撮影されている。横顔は左側しか撮らせないと言っていたクローデット・コルベールみたいに、女優からの注文があったのだろうか?
本作の主人公は「暗黒街の顔役」でポール・ムニの妹を演じていたアン・ドヴォラック。裕福な弁護士(ウォーレン・ウィリアム)と早々に結婚し男の子を産んだものの、夫に愛情を感じられず、子供を連れて家出し、ヤクザな優男(ライル・タルボット)と堕落した生活を始める。
育児放棄された幼い子供を心配するジョーン・ブロンデルは、父親の弁護士に彼女の居場所を密告。子供は無事に引き取られ、弁護士はアンとの離婚協議に決着がつくとすぐにジョーンと再婚。
アンはどん底に落ちぶれ、外出したジョーンを待ち伏せて金を無心するようになる。
ギャングに多額の借金をしていたライル・タルボットは、いまでは弁護士夫人となったジョーンの過去を新聞に売ると脅迫するが相手にされず、身代金目的で子供を誘拐してしまう。
その情報を警察無線で知ったギャングは、ライルのアパートに押しかけアンと子供を監禁、さらに多額の身代金を弁護士に要求する。ところが誘拐現場の目撃情報から、警察の捜査網はライルのアパート近辺に絞り込まれ、発見されるのは時間の問題。窓から覗くとパトカーが表通りに次々と集まってきている。焦ったギャングたちは非情にもアンと子供を始末しようとする。
そこで、アンは究極の行動に出る。
この映画のラストは、マーヴィン・ルロイが先に監督した「犯罪王リコ」や「仮面の米国」よりも更に強烈だ。
アメリカ映画史に詳しい人によると、映画表現の自主規制(ヘイズ・コード)が厳しくなる直前の、1929年から1934年の期間(プレ・コード期と呼ばれているらしい)だったからこそ可能なラストシーンだったとのこと。
有閑マダム、ヤクザの情婦、落ちぶれて監禁されてボロボロな女を熱演。
これが映画デビューらしいエドワード・アーノルド。ギャングのボス役でワンシーンのみの出演。デビュー作とは思えぬ貫禄と迫力。
遅れて生まれてきた映画ファンには「マルタの鷹」(1941)以前の(まだ売れっ子になる前の)ボギーが見られるのも嬉しい。
70点
#1930年代の犯罪映画
2022/03/21
地獄の市長
THE MAYOR OF HELL
1933年(日本公開:1934年02月)
アーチー・L・メイヨ ジェームズ・キャグニー マッジ・エヴァンス アレン・ジェンキンス ダドリー・ディッグス アーサー・バイロン フランキー・ダロ アレン・ファリナ・ホスキンス
町の雑貨店で強盗騒ぎを起こしたフランキー・ダーロをリーダーとするストリート・ギャングたちは、家庭裁判所の裁定により矯正学校へ移送される。
彼らが収容された矯正学校は学校とは名ばかり、サディスティックな所長ダドリー・ディッグスが大人の暴力で子供たちを服従させている(「仮面の米国」で描かれた労働刑務所の少年版といってもいい)劣悪な施設だった。
人一倍反抗心が強く頭もキレるフランキーは、真っ先に所長に目をつけられる。
フランキー・ダーロは、キャグニーの弟と言ってもいいくらい素振りや目つきを似せて、不良少年の役を演じている。
導入部で描かれるストリート・ギャングたちは、まだ幼い子供もいて「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を想起させる。彼らのほとんどが家庭環境に問題があり、親がまともな英語を話せない移民も多い。
ジェームズ・キャグニー主演というだけで予備知識一切なく見始めたので、ここまでの経緯をみて、成長したフランキーが施設を出たあとギャング(キャグニー)になって、暗黒街のボスにのし上がっていく話だと思ったが、違った。
この矯正学校に、局長代理として視察に来るのがジェームズ・キャグニー。
選挙の資金調達、票集めに働いた見返りとして、表向きの肩書を与えられているが、正体は政界と癒着している暗黒街のボス。
彼自身スラム街出身で裏稼業で飯を食っている身であり、少年たちを囚人扱いしている施設の運営が気に入らない。保健士マッジ・エヴァンスから改革案を聞いたキャグニーは、それを実行するため、管轄当局に圧力をかけて自ら主事代理となり、所長に長期休暇をとらせて監視職員を解雇。少年たちが施設を自主運営するシステムを作る。
少年たちの少年たちによる少年たちのための施設運営が軌道に乗ったところで、キャグニーは本業のほうでトラブルが発生したとの連絡を受ける。ボスの不在中に部下が謀反を起こした。裏切り者と争っている最中に銃が暴発、相手は重症を負い、キャグニーは潜伏を余儀なくされる。
矯正学校は休暇を終えた所長が再び牛耳るようになり、運営は元の強制服従に戻される。抗議したマッジ・エヴァンスは施設を馘首になる。反抗したフランキーは独房に入れられる。彼に食べ物を与えようと盗みに入ったハロルド・ヒューバーは職員に捕まってしまう。仲間の名前を白状するよう迫られても頑として口を割らず、独房に閉じ込められたハロルドは、流感をこじらせて死亡する。
ハロルドの死によって怒りを爆発させた少年たちは、施設の倉庫を襲撃、武器を手に入れて所長を拉致し、裁判にかける。有罪判決が下された所長は少年たちの怒りに怯え、窓から飛び降りて逃亡を図るが、少年たちはどこまでも追いかけてくる。逃げ場を失った所長は納屋の屋根に上り、火をかけられて墜落死する。
マッジ・エヴァンスによって施設の状況を知ったキャグニーが駆けつけ、少年たちは彼の説得によって騒ぎを収める。
所長の死は調査の結果、過失死と裁定され少年たちは罪を咎められない。
キャグニーは暗黒街から足を洗い、矯正施設の運営に専念する。
キャグニーとマッジ・エヴァンスの恋愛要素が邪魔にも思えるけど、映画は娯楽と割り切って見れば、それほど大きな疵でもない。少年たちの暴動シーンが怖いくらい迫力があるので、駆け足でお座なりなハッピーエンドのラストも悪くない。
フランキー・ダーロはじめ少年たちの演技が素晴らしい。
演技とは思えないほど自然で素晴らしい。
70点
#1930年代の犯罪映画
2022/02/01
暗黒街の弾痕
YOU ONLY LIVE ONCE
1937年(日本公開:1937年06月)
フリッツ・ラング ヘンリー・フォンダ シルヴィア・シドニー ウィリアム・ガーガン バートン・マクレーン ジーン・ディクソン ジェローム・コーワン マーガレット・ハミルトン ウォード・ボンド グイン・ウィリアムズ ジャック・カーソン
弁護士事務所に勤める女シルヴィア・シドニーは、刑務所を出所したばかりの前科三犯の男ヘンリー・フォンダと結婚し妊娠する。男は冤罪で死刑を宣告されるが、執行直前に説得する神父を射殺して脱獄。二人は強盗を続けながら国境へと逃げ延びようとする。
前科者への偏見、冤罪、脱獄、逃避行といったエピソードを手際よく並べた脚本。
光と影、雨と霧を効果的に使ったフィリッツ・ラングの演出。
深夜の自動販売機で煙草を買うシルヴィア・シドニーの表情が切ない。
原題は「You Only Live Once」。犯罪を題材とした社会派映画。
70点
#男と女の逃避行
#1930年代の犯罪映画